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全長 |
重量 |
口径 |
装弾数 |
製造国 |
197mm |
990g |
9mmx19
.40S&W
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13+1
10+1 |
ベルギー |
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「ブラウニング(ブローニング) ハイパワー」の名で知られる教科書的自動拳銃。
初期の軍用モデルが「FN GP(Grande Puissance) M1935」の名で制式化され、その民間モデルが「FN HP(Hi-Power) M1935」の名で販売された。現在は、いずれも「HP(Hi-Power)」の名でカタログに記載
されている。
天才銃工ジョン ブラウニングが晩年に設計し、その死後FN社の技術陣によって1934年に完成した。当時
としては画期的なリンクレスのショートリコイルや、シングルアクション、着脱式マガジンへのダブルカラムの
採用など、近代オートマチックの基本要素が詰まった傑作で、後生の様々な銃に影響を与えている。一方、
他のオートマチックではやや珍しい、マガジンセイフティという安全装置も備えている。マガジンを抜いた状態
ではトリガーがロックされる機構で、薬室内に弾丸が残っていた場合の不注意な暴発を防ぐことが出来る。
ただ、この機能は特殊部隊での運用時には外されていることが多かったらしい。本銃のほかでは、同社の
ファイブセブン、アメリカはS&Wのクラシックオートシリーズがこの機構を持っている。
もともとはベルギー軍が制式化していたが、第二次大戦中、ナチスドイツによるベルギー占領をきっかけ
に、ハイパワーは連合軍と枢軸側双方で使われることとなった。工場を接収したドイツ軍はP640(b)の名で
ハイパワーを準制式化し、一方、連合側では、カナダに逃れたFN社技術陣の手によるハイパワーが供給
されたのである。
とはいえ、ドイツに卸された本国ベルギー製のハイパワーP640(b)は、技術者のサボタージュによる品質の
落とされた粗雑品であった。
戦後も長らく活躍し続け、英連邦、南米、中国、果ては北朝鮮とさまざまな国で採用された。
現用オートマチックとしては最古老の部類だが、現在も生産は続いており、近年までSASを含めたイギリス
軍で制式ピストルとして使用されていた。
FN製の現行モデルは、ホワイトドットが入ったフロント&リアサイトを有し、アンビ化した大型のマニュアル
セイフティとAFPBを装備したMk.III(上写真のモデル)である。1983年にはダブルアクションモデルの『HP-
DA』も登場しているが、あまり大きな成功は収めなかった。
他にユニークなバリエーションに、『SFS(Safe Fast Shooting)』がある。これは言わば変則のダブル
アクションで、一度コッキングしたハンマーを指で押し戻すことができる。戻したハンマーはマニュアルセイフ
ティを解除すると、自動的にコッキングポジションに跳ね上がるので、シングルアクションと全く同じトリガー
プルで発射できる。
『HP-DA』と違ってなじみのあるハイパワーのシルエットがほとんど崩れていないのも特徴で、本家FN社
からは『GP-SFS』、アメリカでは『HP-SFS』の名で市販されている。
ただ古くからの愛好家にとってFNハイパワーといえば、ごく初期の「M1935 ミリタリーモデル(後年、
キャプテンモデルに改称)」が想起される。このモデルは、照尺が可変のタンジェントサイトとリングタイプ
のハンマーを備え、着脱可能なストックがセットだった。
なお、名前こそ「ハイパワー」だが、別に強力な弾丸を使用しているわけではない。装弾数の少ない回転式
拳銃が主だった当時、自動拳銃でも1弾倉がせいぜい7〜8発だった時代に、13発も撃てる銃の存在自体が
ハイパワーだったのである。
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