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モデル |
全長 |
重量 |
口径 |
装弾数 |
製造国 |
P220 |
198mm |
810g |
9mmParabellum
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9+1 |
ドイツ |
P220-1
P220SAO |
198mm |
830g |
.45ACP |
7+1 |
ドイツ |
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シグ社とその傘下のザウエル&ゾーン社が1976年に共同開発した軍/警察機構向けの自動拳銃。
シグザウエル社は既にP210と云う優れた銃を持っていたが、作りが精巧ゆえに量産が効かず、値段が
非常に高いため売れ行きはいまひとつだった。そこでP210をベースに改造を施し、プレス加工を用いて
生産効率を高めた銃がこのP220である。それでも決して安い銃と云えなかったP220だが、無理すれば
手の届く値段になった事とP210同様、優れた性能を持っていたために性能嗜好のユーザーに受け入れら
れ、シグザウエルの名を世に知らしめた。
P220は、手動のセイフティを持たず、デコックのみを行うデコッキングレバーを備え、排莢口にチャンバー
部をかみ合わせてスライドとバレルをロックする独自のロックブリーチ・ショートリコイルを採用している。
これらは、当時としては画期的なもので、後のさまざまな自動拳銃に影響を与えている。
マイナーチェンジも数度行われており、プレス成型で製造されていたスライドは、90年代以降にステンレス
削り出しとなり、製法の変化に合わせてデザインも改められた。マガジンキャッチの位置や形状も変化し、
マガジンの底部に位置していたマグ・キャッチは、グリップの左側面に再配置され、親指で簡単に操作できる
ようになった。※下の動画のモデルはマガジンキャッチが、グリップ下部にある旧モデル。
また、P220は日本の自衛隊の制式拳銃でもある。1982年にM1911の後継として「9mmけん銃」の制式
名で採用されて以来、日本のミネベア社でライセンス生産され、採用から20年以上を経た現在も継続して
使用されている。元は尉官以上の幹部の護身用だったが、現在では階級に関係なく携行されるようになり、
隊員の基本装備のひとつとなっている。ちなみに9mmけん銃は、元となった本銃がもともと.45ACPモデル
も前提とした大きめのグリップサイズであったため、ミネベアにより、日本人の手に合わせた専用のグリップ
形状に改められている。
現在、民間用P220は、アメリカ市場向けの.45ACPモデル(P220-1)のみ生産され、9mm口径のヨーロ
ピアンモデルは生産されていない。アメリカに輸入された当初は、ブラウニングアームズが代理店であった
ため『BDA(Browning Double Action Automatic)』と銘打たれて販売されたが、当時のアメリカ市場
では、ほとんど受け入れられなかったようだ
しかし現在では市場も大きく変化し、M1911系に圧されつつも、新たにシングルアクションオンリーモデルのP220SAOを発表するなど、根強いファン層の存在が窺い知れる。アメリカのIDPAマッチで愛用している
シューターもあり、M1911を破って第1位を獲得したこともある。
現在ではアルミフレームモデルの他、ステンレスモデルもラインナップされ、オプションでピカティニーレール
付きのフレーム(上掲画像のモデル)も用意されるなど、独自の発展を続けている。
なお、SIG SAUERの名は、スイス国内の銃器輸出規制を回避するため、ドイツにあるシグ社傘下の企業
「ザウアー&ゾーン」にP220シリーズの製造が委託された経緯によるものである。
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