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全長 |
重量 |
口径 |
装弾数 |
製造国 |
206mm |
970g |
9mmParabellum
.40S&W
.22LR |
15+1
12+1
9+1 |
チェコスロバキア |
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FN ハイパワーや シグP210を参考に、1975年にチェコスロバキアの国営銃器工場が開発した9mm自動
拳銃。
実戦向きなコック&ロック(ハンマーを起こした状態で安全装置を掛けること)ができることや、命中精度の
高さもさる事ながら、人間工学を考慮したグリップは『まるで手に吸い付くよう』と評され世界有数の名銃と
謳われた。特にアメリカでは、シューティング競技の権威であるジェフ クーパーがコルト.45を選ばず、本銃
に「(もしこれが.45ACPであったなら)世界最高のコンバットオートである」という高い評価を与えた事で人気
が高騰した。
欠点はスライド前部が薄いことで、落としただけで歪むと云われるほど耐久性が低かった。また削り出し
加工ゆえの生産効率の低さもあって、より効率的なロストワックス製法(インベスティメントキャスト)を採り
入れることとなった。
そうして開発されたのが、フレームを前方に延長してスライドをカバーし、ハンマーにハーフコックポジション
を追加したいわゆる後期モデル(または2nd.モデル)である。ただし、ロストワックス技術の習得には時間を
要したようで、後期型の初期ロットは、前期型同様の削り出しで生産されている。
量産化によって仕上げが落ちたため、後期型はマニアの間では評価を落としてしまったが、一般市場での
反応は上々だった模様で、民営化後のCZ社や各社のコピー品も後期モデルが基本となっている
(後期モデルは鉄の品質が落とされたため、強度を保つためにフレームが延長されたという説もあるが、
真偽は怪しいようだ)。
現在でも前期モデルは、旧共産圏の銃で西側での流通量が少なかったこと、また削り出し加工の仕上げ
の良さから、コレクターの間では高値で取り引きされている。ただ、後期型と比べて特段優れているわけでは
ないとも言われ、多分に希少価値が加わった『プレミア価格(評価)』というのが実情らしい。
一方、前述のようにオリジナルが西側(特にアメリカ)で入手困難だったことから、クローンないしコピーが
世界のあちこちで作られることとなった。イタリアのタンフォリオ、スイスのスフィンクス、中国のNZ75、
イスラエルのジェリコなど、種類も品質も様々だが、軍・政府機関向けに採用されているものも少なくない。
最近何かと話題の北朝鮮でも、本銃のデッドコピーである白頭山拳銃が北朝鮮人民軍の制式拳銃にも
なっているようで、これまでに使用していたFN ハイパワーからの更新を完了したと言われる。またトルコ軍
では、外見が非常に酷似した国産のサルジルマツ製「キリンクM2000」というモデルを採用している。
チェコの自由化後はCZ社自身もアメリカはじめ西側市場に本格進出、口径違いやスポーツ競技モデル
のCZ75タクティカルスポーツ等、多数のバリエーションを発売しており、今やCZシリーズは、コルト
ガバメントやベレッタ M92などと並ぶ、自動拳銃の一大グループに成長するまでになった。
なお、その名の通り10mmAuto弾を使用することで知られる“ブレンテン”(BREN TEN)は、本銃を
ベースにジェフ クーパー自身が設計したものである。
現在のCZ75はAFPBを追加し、ハンマーをラウンドハンマーに改めたCZ75Bが基本となっている。トルコ
警察は、同国軍とは対照的に、このオリジナルCZ75(フルサイズモデル)を採用しているようだ。
主なバリエーションでは、CZ75 P-01が、本国チェコ警察の制式拳銃となっている。これはCZ75BDコン
パクトをベースにフレーム等が強化されたモデルで、マウントレールと、セーフティ兼デコッキングレバー
が装備されている。このモデルをチェコ警察当局は当初60000挺発注したと伝えられている。
最近では、マウントレールを追加したフルサイズモデルCZ75 SP-01が登場。オプションにスパイク付き
のマズルガードや、拳銃用としては初の銃剣を発表し、注目を浴びている。
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銃火器の画像解説文は、各銃器メーカーより転載しています。
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