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GSG9(Grenz Schutz Gruppe 9) / ドイツ第9国境警備隊 |
1972年のイスラエル選手村襲撃事件での失敗により、専門的な抗テロ部隊の必要性を実感したドイツ
政府が、同年より国境警備隊内に発足させた抗テロ部隊。現在、稼動しているカウンターテロ部隊の中では
精鋭中の精鋭である。
隊員は連邦警察に5年以上勤務する優秀な警官であるか、国境警備隊の選抜隊員で構成され、中隊規模
の3部隊(それぞれ通常/海上/空挺)編成。1977年に発生したルフトハンザ機ハイジャック事件による突入
で一躍有名になり、特殊部隊の先駆け的存在となった。
1977年10月、バレアレス諸島パルマからフランクフルトへ向かうルフトハンザ航空機ボーイング737型が、
4人のパレスチナゲリラにハイジャックされる事件が発生。出動命令を受けたGSG9は、同機に強行突入する
綿密な作戦を練った。世界で初めてスタン・グレネード(特殊音響閃光弾)を使い、強烈な閃光と轟音で
テロリストの思考を一瞬停止させ、その隙に3人を射殺、1人を逮捕。突入から僅か5分で人質全員を無事に
保護した。アメリカはこの事件で対テロ戦闘能力の重要性を認識し、デルタ・フォースの編成を決定したと
言われている。
ただ、この部隊は国境警備隊の一部隊であり、同時にBKA(内務省・連邦刑事局)傘下の部隊である。
そのため、隊員の身分はドイツの法律によってあくまでも警察官として扱われるため、海外への部隊派遣は
基本的には御法度である(前述のルフトハンザ機ハイジャック事件は例外中の例外)。
万一、国外で発生したドイツを標的としたテロ攻撃の場合には、後に設立された海外への派遣が可能で
あるKSK(陸軍特殊作戦部隊)が派遣される。
日本のSATは、このGSG9をモデルとし、設立時には隊員がGSG9へ研修派遣されたと云われている。
ただ、間違って欲しくないのは、このGSG9という部隊に出動要請が下るのはあくまでも「政治的な背景が
ある」と判断される場合であって、政治的背景なしと判断されればSWAT的な部隊であるSEKが出動して
事態の収拾に当る(実際に出動する機会は少ない)。
GSG9の隊員は時折、自分たちの仕事を”火消し”と揶揄することがある。これは最近は移民排斥を唱える
ネオナチのような極右組織のデモや集会を解散させる任務さえ帯びる。つまり完全武装した隊員の攻撃態勢
を見せつけて、『お前達が抵抗するなら、こちらは武力で対抗するぞ』という示威行為で抑え込むというもの。
これは現役の隊員に言わせると、この任務は、突入作戦や人質奪還作戦から見れば、緊張を強いられること
の少ない「非常に楽な仕事」とのこと。
作戦実行時に隊員個人に支給される装備品は“フル装備の超高級車並み”と専門家に言わせるほど、
高度に洗練されており実に合理的である。ただし、比較的自由度は高く、特にバックアップ用に使われる
拳銃は隊員の個人が指定されたものの中から好きに選んでよいらしい。
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GSG9 武装 |
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GSG9 関係の映画 |
スパイ・エンジェル フルブレイク
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GSG9 在籍/出身の映画作品登場人物(架空)
グロスマン(スパイ エンジェル)
スパイ・エンジェルは、ドイツ版チャーリーズ・エンジェルとも言うべき作品
で、どちらかと言えば、おふざけありえない系アクション満載の最新リメイク版
のチャーリーズ・エンジェルよりも、1970年代に放映されていたTV版に近い
作品。CGやワイヤーアクション等は、ほとんど使用されていない分こちらの方
がリアリティがあります。
なお、カーアクションは凄く、TVドラマとは思えないほど。今年(2006年3月頃??)TVでもスパイ エンジェル誕生のエピソード版が放映されました。
※(同名のアメリカ版スパイ エンジェルとは、まったくの別作品) |
銃火器の画像解説文は、各銃器メーカーより転載しています。
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