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GIGN(Groupe D`lntervention De La Gendarmerie Nationale)
/ フランス国家憲兵隊介入部隊 |
1972年に起きたミュンヘンオリンピック事件に震撼し、対テロ部隊創設に動き出した当時のフランス内務省
が、パリのベルサイユ陸軍基地内に設立した対テロ特殊部隊。
GIGN隊員は国家憲兵隊の所属だが、実際にはフランス版のSOCOMであるCOS(特殊部隊統合軍)の
一翼も担っている。これは対テロ活動以外にも要人警護や破壊工作など作戦は多岐に渡るためである。
実際に水中作戦部隊や警察犬部隊も存在し、冬季の雪山での狙撃訓練もある。
設立以来、100以上の作戦を成功させてきた世界的に見ても非常に優秀な特殊部隊であり、日本のSAT
もこのGIGNを参考にしている点がある(実際にGIGNの本部には日本から送られたSATの部隊旗が展示
されている)。
隊員の選抜試験の厳しさもかなりのもので毎年100名近い応募があるが、最終候補まで残るのは僅か4、
5名である。 GIGN隊員は国家憲兵隊で4年以上の勤務経験を持つ成績優秀な志願者から、選抜される。
毎年春に行われる面接を含めた予備審査をパスした志願者は、体力、精神力、適正、技能などを見る二次
試験に進む。この試験は装備を身につけて8km持久走(40分以内で完走しなければならない)、25m競泳
(15秒以内)などの体力テストを始め、警察犬やGIGN格闘技インストラクターとの1対1での戦いといった、
精神力や攻撃力を見るテスト、機転や協調性を調べるテストなど、体力面だけでなく、精神面にまで及ぶ。
また、技能面では特に射撃を重視しており、ピストルでは25mから、ライフルでは200mから10回の
射撃を行い、それぞれ70ポイント以上、75ポイント以上の成績を上げることが合格の最低条件と言われる。
ただし、世界でもトップクラスの射撃技術が求められているのは、GIGNの活動があくまでも警察任務であり、
敵を倒すことではなく、犯人逮捕が前提であり、命令があった時のみ火器を使用し、限られた目標にのみ
使用が許可されるからである。
この1週間以上にも及ぶ二次試験に合格(合格率は非常に低い)すると、ようやくGIGNへの入隊が許可
されるが、その後8ヶ月間以上の実習期間を経てから一人前の隊員として認められる。 しかし、SASや、
GSG9など他国の特殊部隊と同じく、隊員になることよりも、隊に留まる事の方が難しいのはGIGNでも同様
である。
部隊の方針はあくまでも人命尊重であり、作戦決行時には念入りな情報収集をかかさずに行なうことで
人的損害を極力減らしているが、必要ならば断固たる実力行使、つまりは容疑者の射殺も辞さない。
使用する火器も特徴的で、正式採用されている拳銃がマニューリン社の357マグナムリボルバーの他、
他国の部隊が補助火器として使用する散弾銃を主力火器として使用する点などが挙げられる(現在は
むしろ自動火器の使用を重く見ているようで、マニューリンも実際の作戦には使わず、むしろ部隊のシン
ボル的な存在である様子)。
治安に関して決して良いとは言えないフランス国内だが、続発する凶悪犯罪にGIGNは基本的に関与
せず、あくまでも犯罪事案に政治的な背景があったり、同じ憲兵隊のREIDや国家警察のGIPNでは対処が
できなくなった場合にのみ出撃する。これはドイツのGSG9と同じであるが、決定的に異なるのは、この部隊
が『海外派兵』と『現地による作戦行動』が法的に認められていることである。
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