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GEK COBRA(Gendarmerie Einsatz Kommando COBRA) / オーストリア特殊任務部隊 |
1970年代始め、ソ連からシナイ半島(西アジアのアラビア半島とアフリカ大陸北東部の間にある半島)へ
向かうユダヤ移民の通過点となっていたオーストリアは、パレスチナ・ゲリラによるテロが頻発する状況に
あった。加えて、ウィーンにはOPEC(石油輸出機構)の事務局が置かれていたこともあり、治安維持の強化
が叫ばれていた。
ヨーロッパでは、70年代常にテロの危険に晒されており、隣国西ドイツでは、赤軍派によるシュライア工業
連盟会長殺害事件やルフトハンザ航空機ハイジャック事件などが多発した。そこでオーストリア政府は、公式
な対テロ部隊の設置を決定し、1978年にウィーン護衛警察特殊任務部隊を中心とした「コブラ−国家憲兵
隊特殊任務部隊」を編成。 2002年7月には国家憲兵隊より独立し、「オーストリア特殊任務部隊」と、
正式名称も改められ、人員、基地も増強されて内務省の直轄機関となった。
コブラの任務は、主に対テロ作戦行動であるが、要人護衛のために国外へ出動することもある。また、
オーストリア航空の国際線定期便には、必ずコブラ隊員が覆面保安要員として搭乗している。人命尊重を
最優先とする彼らは、自分の身を盾にしてもそれを守り抜くことをモットーとしている。 コブラ隊員には、
オーストリア国内の警官であれば、誰でも志願する事が出来る。志願者には医学、心理学、体力の各部門
でテストが施され、合格者はさらに各項目1200時間にも及ぶ基礎教育訓練を6ヶ月間受けた後、配備
される。
隊員には射撃訓練、格闘術、突入訓練は元より、ヘリコプターや建物から降下突入するためのラペリングや
パラシュート降下など、特殊部隊員として必要な技術を身につける。 また、空港や駅、OPEC本部などを
警備したり、要人警護や防諜活動のための訓練も受けている。
コブラは将校と隊員の総勢340名で編成、オーストリア国内の5カ所の基地に配備されている。部隊は2
個ずつの実働部隊からなる4個機動部隊(各隊は要人警護班、人質救出班といった部門に分けられている)
で構成される。通常各基地では、緊急出動に備えた部隊(13名編成)が交代で待機している。 隊員の
勤務年数は3年(1任期)だが、毎月行われる基礎体力、射撃、ラペリングの定期試験と年2回行われる
資格審査(健康診断も含む)をパスしなければならない。
コブラ隊員は基本的な火器装備として、ステアーAUG及びグロック19、グロック18Cを携帯し、狙撃手は
高度にチューニングされたステアーSSGライフルを使用する。また、コブラ隊員は通常、サブマシンガンを
持たないため、より制圧力の高いアサルトライフルを持つ隊員を先頭に立たせ、作戦を実行する。
要人警護の際、エンジンをチューニングし、防弾装甲を施したメルセデスベンツ300SEを使用するが、隊員の
ドライビングテクニックの習得にも力が入れられており、F1ドライバーなみのテクニックを有する隊員もいる
という。
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