![](img/g11_01.jpg)
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全長 |
重量 |
口径 |
総弾数 |
製造国 |
750mm |
3.4kg |
4.7mmx33 |
45/50 |
ドイツ |
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H&K社が1989年に開発したブルパップ式の次世代突撃銃。
本銃の最大の特徴は、ダイナマイトノーベル社が開発した「ケースレス弾」を使用することである。
従来の銃弾が「弾丸+発射薬+薬莢」で構成されているのに対し、ケースレス弾は圧縮した固形火薬が
薬莢を兼ねており、「弾丸+発射薬」となっている。当時、戦車砲では発射後に薬莢が残らない、ケース
レスもしくは可燃性薬莢の砲弾が実用化されつつあり、このアイデアを小銃弾に持ち込んだともいえる
(戦車砲の場合、狭い車内に薬莢が散らばらないため、ケースレス弾のメリットは大きい)。
これにより、同じ重量でも携行できる弾数が大幅に増加し、射撃時に薬莢をばらまく必要が無い上、弾薬
の製造に真鍮を使用する必要が無く、コストダウンも図る事も可能とされた。また、排莢のプロセスと機構を
そっくり省略できるため、理論上は毎分2千発という高発射速により、反動が発生する前にバースト射撃が
できたりと、正に驚異のライフルとなるはずだった。
しかし実際に使用してみると通常弾よりコストが高い、火薬が剥き出しなので湿気に弱い、薬室が過熱
状態だと装填直後に発火する危険性がある、弾倉が異様に長いため携行に向かない――と酷評された。
現在はこれら問題の解消を試みたモデルが存在しているが、未だ信頼性は低い。
![](img/g11_02.jpg)
ちなみに、ケースレス弾の弾倉は、FN社製のP90のように銃身の上に平行に配されており、前部から
装着する仕組みとなっている。
西ドイツ陸軍はG3の後継として本銃の完成を待ち望んでいたが、あまりの使い勝手の悪さと、冷戦終結に
よる予算削減のあおりを受けたため、一部の部隊に配備されたのみにとどまり、その他の部隊は代用品と
して急遽開発されたG36へと更新している。また、4.7mmx33ケースレス弾も普及する気配を見せず、弾道
力学の研究データだけがMP7の4.6mmx30弾へと受け継がれている。
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